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本来あるべき姿 [社会]

先日発表された消費者物価指数の上昇を受けて量的緩和政策が解除された。決算前の解除による株式市場の動揺を懸念した与党首脳陣の度重なる牽制を振り切った形の決断となったワケだが、市場は寧ろ日銀(金融政策委員会)の速やかな決定を英断と捉えたようだ。

“量的緩和の解除後、間もなくゼロ金利政策も解除され日本経済は本来あるべき姿に戻るだろう”という観測があるが、なんとなく違和感があった。そう感じるのはボクがバブル崩壊後の殺伐とした世界観に長く支配された世代だからなのかもしれないし、ここ一週間の株価のぎこちない動きを見れば、案外大方の人間が感じていたことなのかもしれない。確かにゼロ金利は間もなく解除されるだろうし、日本経済も国際水準の力を取り戻しつつある。しかし、耐震偽装問題やホリエモンの逮捕、或いは今回の金融政策決定に関する政府の物言いが薄氷の上を歩くようにあまりにも慎重だったコトはかえって国民の不安を煽ったようにも見える。00年のゼロ金利解除が失敗に終わったコトが足枷になっているのは理解できるが、その後の血の滲むような企業努力や、実際に死者までだした所謂構造改革に対する政府の自己評価は果たしてどんなものであるのか?
バブル崩壊のトラウマに傷つき、リストラに耐え、辿りついた格差社会に慎ましく生きる国民の感情は繊細だ。この国の“本来あるべき姿”を如何に正確にイメージするか、が生死を別つ分岐点になることを薄々感じている。国民は強い意志と機敏な行動力を兼ね備えた“The man”の出現を渇望し、彼のありがたい宣託を心待ちにしているように思えてならない。
彼がハーメルンの笛吹きでなければいいのだけれど。。。


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