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パイの行方 [社会]

少し前、需要の総体や限界効用の話題になるとニュースコメンテーターの評論家やら学者が、決まって“パイ”という表現を使っていたが、それが廃れてせいせいしている。そもそも日本語の使い方さえままならない視聴者をヘンテコな米国語(?)で煙に巻いてやろうって感じがして、たまらなくイヤなのだ。“パイ”にハナシを戻すと、これは統計データの割合を示す円グラフが丸くてパイみたいだってところからきているらしいのだが、果たして丸い形のパイに縁遠いのは僕だけなのか、どうも違和感をもたずにいられなかったというワケ。

今日、鳩山由紀夫が首班指名を受けて(正式には天皇による任命を経て)第93代内閣総理大臣となった。これは先の総選挙において、選挙民が政権交代を望んだ結実であるワケだけれど、もう少し掘り下げて云うと「自分自身の境遇を是としなかった選挙民が多数であった」ということで、小泉構造改革の結果、持たざる者(改革的思考)の数が持てる者(保守的思考)の数を逆転したと云う事が出来ると思う。
確かにこの国の将来は暗い。僕自身未婚なのであまり大きな声では言えないが、二人の人間が結婚して生まれる子供の数が1.5人に満たない国なわけで、単純に考えれば30~40年後の人口(国の規模=納税総額)は4分の3くらいに落ち込むことになる。鳩山政権の当面の目標は縮小の定めにあるこの“パイ”のレシピ作りだ。
レシピの失敗例は古本屋に山積みになっている。一昔前のビジネス書によく書いてあった例えで、極寒の地でクラーを売り、灼熱の地でヒーターを売る工夫とか、需要の促進ではなく創出が肝要だ、なんてことがまことしやかに書かれていたが、アメリカの住宅バブル崩壊を経た今思い返すと、まるで短期的なポンジースキーム(ねずみ講)の決まり文句のようでちょっと微笑ましくもある。いろんなトッピングでデコレートしている間に肝心のパイの中身はねずみが食い散らかしていたというオチ。

かつて無限と盲信された“創出”の果てに予想に違わず“崩壊”が訪れた。アメリカではサブプライムローンが、日本では麻生太郎が幕を引いたワケだが、鳩山政権が転がり込んできたチャンスをどう活かすのか? ことあるごとに“パイ”と連呼していた経済評論家がついに導出できなかった新しいスキームを提出するのか、とても興味深いところだ。
そのスキームにソニータイマーが仕掛けられていなければよいのだけれど。

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